華麗な、躍動する打ち回し

碁吉会伊東大会記念対局


                         関口 清自戦記

高野圭介 vs 3子 関口 清

於碁吉会伊東大会・伊藤園ホテル

143手以下略 黒2目勝ち



本局は高野圭介先生に3子置いての対局であった。

最初から高野さんの華麗な、躍動する打ち回しに翻弄され、
中盤から大寄せにかかるときは完全な負け碁であった。
大寄せの段階で高野さんに多少の疑問手があり、
かろうじて
2目勝ちとなったのはラッキーであった。

いくつかの勝負ポイントを振り返ってみたい。


立ち上がりの
隠れた攻防





家田評 1


右上隅の変化についての家田評。

36、白37の交換で白は生きとなったが、
この交換をせずに、単に白41のところを
いきなりキルと、白は黒40のところにアテることとなる。

この時点で黒の切った石は取られているが、

黒が黒36の一路上
に置くと、
切った石の逃げ出しと、白の
キリ(後の黒90)を防ぎ、
左隅の白を殺せるか、
中央下の白を取れるかのチャンスがあった。



完全に黒の負け碁
と、自認した。



家田評 2


その後いくつかの紆余曲折があったが、

白105と、上辺の黒模様に打ち込んできた。

これに対し、
黒106そして黒108と白の
2子を取る間に
白109と上辺を白地にされ、完全に負け碁となった。

家田先生評では
黒106からは、回りから地を取りながら活かせて打つべし。



勝敗を分ける
ポイント

家田評 3

高野感想


黒133が勝着か・・高野感想がある。

上辺の白は味悪く、白は2の右一間に手入れが要った。

家田先生評がある。

一見、取られているような黒36は
上にアタリして、ウチカいてから右辺にワタルと、
白は危険だった。


大きく見えた左上の三3は仕方なかったが
黒133が機敏で、白はしびれた。

結局
これが勝敗を分けることになった、とのことであった


高野さんの

躍動する
迷わす手



高野さんとは初めての対局であったが、
躍動する、迷わす手には感心させられた。

私の2目勝ちとなったのは、
高野さんの特別の配慮があったのではないかと
今でも思っている。

すばらしい、楽しい会を持てたことに対し
幹事の皆様に感謝します。
有難うございました。